YEBISU MUSIC WEEKEND にいってきた

3日目だけですがYebisu Music Weekendにいってきました。もちろんライブも楽しそうなんだけど普段きけない話がきけそうなトークセッションの方が気になってずっときいていようと思ったのですがやっぱり我慢できず途中からライブ会場に移動してCharisma.comとZAZEN BOYSを見てきました。トークセッションについては僕が気になっていた二つのテーマである「音楽と文章」と「音楽との出会い方」について聞くことができたのでお腹いっぱいでした。

オトトイの学校 presents 『岡村詩野音楽ライター講座 YMW特別編!ゲスト:田中宗一郎』」は、スヌーザーの編集長だった田中宗一郎さんと何度も読んだ「ギター・ポップ・ジャンボリー」に執筆している岡村詩野さんのトークセッション。スヌーザーは、スーパーカーのラストインタビューが載っている2005年4月号などいまだに手元に残している雑誌の一つです。タナソーさんは最初からこんなイベント必要ないとかおまえらリスナーがだめなんだとか飛ばしていたが、文章を書くことや音楽について力強く語られていました。

世の中を変えるのは産業なのだから、100年後にも残っている音楽にお金を使うべきだ。言いたかったのは純粋にそういうことだったのだと思いました。ライターが批評を書いてその音楽が広く愛されるようになったのならライターはそれだけの対価を得る方がよい。ただ消費されていくだけの音楽を広げるようなことはなくなってしまっても構わないと。そして消費されるだけでない文章とは、誰に何を伝えたいかが明確であり必然性のあるものであると。

次に参加したのは「tofubeatsと音楽ライター/ブロガーが語る、ディグ術と隠れたJ-POPの名盤」。こちらも非常におもしろかった。tofubeatsさん、近藤真弥さん、荻原梓さんがそれぞれどうやって音楽をディグしているのか、最近のおすすめは何かなどを話すセッション。

例えばtofubeatsさんは、タワレコ・HMVには月に2回はブックオフには毎週いって250円の棚を見ているそうです。Twitterから流れてくる情報もいいが受動的になってしまうので意識的に足で情報を集めているとのこと。また、SoundCloudBandcampPitchforkナタリーなどのサイトをよくみていて、アートワークからいわゆるジャケ買いのように聴くことが多い。気に入ったアーティストが情報を発信している方法から追ったりライクしている音楽を追ったりするのもよいし、好きなネットレーベルを見つけるのもよいと言っていた。

足で集める先がブックオフというのもおもしろいけど、ネット上での探し方はまさにネット世代だ。僕は学生時代に音楽好きな友達におすすめの音楽を教えてもらったりMTVやスペースシャワーTVをだらだら見ながら突然出会う音楽というのを心地よく思っていたので、インターネット上に情報があふれている今のような時代ならもっと受動的にこれはと思う音楽と出会える方法があるはずだとずっと思っていたのだけど、tofubeatsさんの話をきいて考えを改めなければいけないと思った。知らない音楽と出会うためにあらゆる手段を使って貪欲に掘り下げているんだなあという風に感じた。

興味深かったのはリスナーとして音楽を掘り下げるだけでなく、これからかっこいい音楽をつくることになる人達を勇気づけるためによいとツイートしたりライクしたりすることがすごく大事といっていたことでした。本人も言っていたがタナソーさんのリスナーが音楽を育てるという話と根っこは同じなのでしょう。

それから気になったのは、この記事に触れてアーティストのネット上の活動場所がTwitterからInstagramなどに移動しつつあるのかもしれないという話。もしそうだとするとなぜなんだろう。Twitterだと音楽とは関係ないツイートなど情報を伝えるにしては余計なところが多いので無駄をそぎ落とした伝え方が好まれるということなのだろうか。とても気になる話題である。

最後にこのセッションで紹介されていたかっこいい曲を。

ラッシュアワーという元ネタがあるらしい。どこまでが元ネタなのか分からないけどかっこいい。

小西康晴さんプロデュースの曲。たしかに小西節だ。かわいくてよかった。